【東京】それは恐怖と混乱、そして生きて脱出するという決意の18分間だった。  機体の後方で炎が広がり、機内に煙が充満した。JAL516便の乗客367人は悟り始めた。命を守るためにはあと数分しかない。「早く出してください!」。子どもの叫ぶ声が響いた。  27B席に座っていたジョセフ・ハヤシさん(28)はスキー旅行から帰る途中だった。  「爆発を心配し、人々はジェットエンジンから離れようとしていた」。米テキサス州ダラス出身で、東京で金融関係の仕事をしているハヤシさんは語る。「自分は科学者ではないが、火とジェット燃料の相性が良くないことは知っている。