(2)具体的に書けていない
このミスを犯している答案も、非常に多いです。
これから会社の中核的な存在となって部下を管理していくのなら、職場の課題やこれからやるべきことが明確になっていなければなりません。
たとえば、次のような事例で考えてみましょう。
【昇進試験の問題例2】
職場のコミュニケーションを活発にするためにどのように取り組むか、述べなさい。
【低評価の解答例】
職場のコミュニケーションを活発にするため、私はマネージャーとして積極的に取り組んでいきたい。職場の人たちに対して、私から日々、声掛けを実行していきたい。連絡を密に取り合える状態を作り、仲間と強い信頼関係を作り上げていきたい。すべてのスタッフとともに、風通しの良い職場を作り、職場を大いに活性化していく所存である。(以下省略)
よくある答案ですが、「日々声掛けをする」「連絡を密に取り合える状態を作る」「風通しの良い職場を作り、職場を大いに活性化していく」、など抽象論だけで具体的な取り組みが何一つ頭に浮かびません。
「声掛けをする」とは具体的に何をやるのか、「連絡を密に取り合える状態」「風通しの良い職場」はどうやって作るのか、読む人の頭に、具体的内容がはっきり浮かぶように書かなければなりません。
【高評価の解答例】
職場のコミュニケーションを活発にするために、私はマネージャーとして積極的に取り組んでいきたい。まず、週に一度ミーティングを開き、各自の仕事の進捗状況や課題を共有できる場を作ることを実行する。また、朝礼の場などで、日常的に仕事上の報告、連絡を密に行い、特にトラブルが起きた際には速やかな報告をするよう指導する。このほか、正社員、外部スタッフ問わず、出勤時や帰宅時にはこちらから進んで挨拶し、何でも気さくに相談してもらえるような関係を築いていく。こうした積み重ねで、職場のコミュニケーションを活発にしていきたい。
こちらは、ミーティングの開催や朝礼での報告、進んで挨拶することなど、自分が何をやるかがはっきりわかるように書いています。読んで、イメージがすぐに頭に浮かびます。
昇進試験は、今後職場の指導者的立場になる者として、誰よりもその職場のことをわかっていなければなりません。にもかかわらず、曖昧な書き方や抽象的な書き方をする人が非常に多いのです。
さて、最後に紹介するのは、ちょっとした心がけで、文章の印象がガラッと変わる、という話です。