「うまく人間関係を築くことができない人には特徴があります」
そう語るのは、これまでネット上で若者を中心に1万人以上の悩みを解決してきた精神科医・いっちー氏だ。「モヤモヤがなくなった」「イライラの対処法がわかった」など、感情のコントロール方法をまとめた『頭んなか「メンヘラなとき」があります。』では、どうすればめんどくさい自分を変えられるかを詳しく説明している。この記事では、本書より一部を抜粋・編集し、考え方次第でラクになれる方法を解説する。(構成/種岡 健)
人との距離感は難しい
あなたは、人との距離感をうまくとれるでしょうか。
「なかなか人間関係を築くことができません」
という悩みを、よく耳にします。
つい自分を守ろうとして、人と距離を取りすぎて、勝手に孤独になって傷ついたりする人もいるようです。
どうすれば、うまく他人と関わることができるのでしょうか。
「恐れ」として学習している
まず知ってもらいたいのは、自分を過剰に守ってしまうのは、「自己防衛」の一種ということです。
人は、なにか「痛み」や「苦しみ」を経験したとき、もう一度、同じ被害に遭わないために「恐れ」として学習します。
いわゆるトラウマですね。
それにより、自分に対して過保護な態度をとっています。
そして、そういう「恐れ」は、私たちの先祖が危険を避け、逃げるために進化させてきたものです。
まずはそのことを押さえておきましょう。
自分に合う人の「手がかり」を探そう
ただ、「恐れ」への反応が「過剰」になりすぎると逆に問題が起こります。
他人に傷つけられた過去の経験によって、他人と必要以上に距離を取りすぎて、自分を孤立させてしまうことがあるのです。
そのため、過度な恐れを減らすことが必要です。
他人と関わる際に「リラックス」することです。
どういう話題なら、自分はリラックスして話せるのか。
どういう相手なら、自分らしくいられるのか。
それを知ることです。
ときには、コミュニケーションの失敗もあるでしょう。
自分をありのままで表現して、本音で話したら、相手が逃げていくこともあるかもしれません。
でも、それによって、「自分に合う人を見つける手がかりになった」と思ってください。
趣味や好きなもので繋がるコミュニティに参加したり、カウンセリングや心の健康センターで行われる相談会などで、「この人なら話してもいいかも」と思える人を探し、少しずつ人間関係の練習をすることです。
考え方次第で、徐々に改善につながると思います。
(本稿は、『頭んなか「メンヘラなとき」があります。』の著者・精神科医いっちー氏が特別に書き下ろしたものです。)
精神科医いっちー
本名:一林大基(いちばやし・たいき)
世界初のバーチャル精神科医として活動する精神科医。
1987年生まれ。昭和大学附属烏山病院精神科救急病棟にて勤務、論文を多数執筆する。SNSで情報発信をおこないながら「質問箱」にて1万件を超える質問に答え、総フォロワー数は6万人を超える。「少し病んでいるけれど誰にも相談できない」という悩みをメインに、特にSNSをよく利用する多感な時期の10~20代の若者への情報発信と支援をおこなうことで、多くの反響を得ている。「AERA」への取材に協力やNHKの番組出演などもある。