人材育成やチームの目標達成、部下とのコミュニケーション…リーダーにはさまざまな責務がのしかかる。悩みを抱えていないリーダーなどいないだろう。
そこで参考になるのが、全世界でシリーズ累計1800万部を記録するベストセラー著者、ジョン・C・マクスウェル氏の『「人の上に立つ」ために本当に大切なこと』だ。「あの人についていきたい」と思わせる秘けつが満載の本書には、「心に刺さる言葉ばかりだった」「仕事につまずいた時に読むべき特効薬」と激賞の声が多数寄せられ、多くの人が「常にそばに置いておきたい本」として何度も読み返しているという。
本稿では本書より一部を抜粋・編集して、仕事ができない「三流の管理職」に共通する、トラブル発生時の“最悪な行動”を明かす。(構成/根本隼)

仕事ができない「三流の管理職」に共通する“最悪な行動”Photo:Adobe Stock

問題は「必ずあるもの」と想定する

 どんな分野であれ、リーダーは問題に直面するものだ。問題を避けることができないのは、3つの理由からである。

 第一に、われわれはますます複雑化し多様化する世界に生きているということ。第二に、われわれは人びとと相互に影響し合っているということ。第三に、直面するすべての問題をすべて制御するのは不可能だということ。

 問題は避けられない。だから、すぐれたリーダーは、問題は必ずあるものと想定する。そうでないリーダーは、絶えず窮地に立たされることになる。

 心を前向きに保ちながらも最悪の場合を想定して計画を立てるなら、どんな問題が起きても容易に解決できる。

リーダーは現実から目をそむけてはいけない

 人びとは次のいずれかの方法で問題に対応する。

●問題を受け入れることを拒否する
●問題を受け入れ、それに耐える
●問題を受け入れ、それを改善しようとする

 リーダーは常に三番目の対応を心がけなければいけない。リーダー自らが困難な現実を直視しないなら、部下を指揮することはできない。すぐれたリーダーは厳しい現実から決して目をそむけない

 また、リーダーは絶えず包括的な展望を持たなければならない。感情に流されたり、枝葉末節にこだわって大切なことを見失ったりしてはいけない。

 大多数の者は障害物を見るが、少数の者は目標物を見る。歴史は後者の成功を記録し、前者は忘れ去られる。

仕事ができない「三流の管理職」は問題を先送りする

 経営コンサルタントのリチャード・スロマがこんなアドバイスをしている。

「一度にすべての問題を解決しようとするな。問題を細かく分けろ」

 最も頻繁に窮地に陥りやすいリーダーの特徴は、問題の量や大きさに圧倒されて問題の解決を先送りしてしまうことだ。

 もしあなたが多くの問題に直面しているなら、現在取りかかっている問題をきっちり解決してから次の問題に取りかかるように心がけよう

(本稿は、『「人の上に立つ」ために本当に大切なこと』より一部を抜粋・編集したものです)