ウクライナ南東部の前線にある地下壕(ごう)から聞いていると、同国側の大砲の弾薬供給がいかに減っているかがたやすく分かる。ロシアの砲弾が5~6発飛来する間に、ウクライナが反撃するのは1回か2回だ。戦争が3年目に近づく中で、ロシアは戦時体制下の経済に支えられて攻勢に出ている。一方、ウクライナは、主な後ろ盾である米国からの追加支援が連邦議会で依然として阻まれていることから、弾薬が不足している。大砲の砲弾が底を突きつつある中で、前線のウクライナ軍は間に合わせに作った爆発物搭載ドローン(無人機)を使ってロシア軍を押しとどめようとしている。ウクライナのミハイロ・フェドロフ・デジタル化担当相は「砲弾が不足しているため、FPV(一人称視点)ドローンの使用を増やしている」と語った。ただ、同担当相は「ドローンは完全に大砲に取って代わることはできない」と付け加えた。