米の低インフレ・低失業率、長期金利低下
日経平均株価、10日も高値更新
米国では2023年は失業率が3%台後半という歴史的な低水準で推移する一方で、インフレ率が大幅に低下した。米著名エコノミストのクルーグマン教授は失業率上昇を伴わないインフレ率の低下を「曇りなきディスインフレ(immaculate disinflation)」と呼んでいるが、この流れの中で米長期金利も低下、24年の米国経済は景気のソフトランディングが現実味を帯びる。
1月5日に公表された23年12月の雇用統計も非農業部門の就業者数は市場の予想を上回って前月より21.6万人増え、失業率は3.7%と横ばいで低水準を維持している。
一方で日本の株式市場は、4日の大発会では能登半島地震の被害拡大などが材料になり、日経平均株価は23年末から下落してのスタートになったものの、9日、10日と連続でバブル後の最高値を更新、10日の終値は3万4441円72銭と1990年2月以来約34年ぶりの水準になった。
米長期金利の低下に加えて日本銀行のマイナス金利解除が予想され、ゼロインフレの下で続いてきた企業の価格戦略も変わって収益改善が見込まれるなどで、日本株は上昇基調を強めそうだ。
円高の進行も予想されるが、利益率改善などの効果が上回り、日本株は史上最高値更新の可能性もある。