柵の向かう側にいる犬たち写真はイメージです Photo:PIXTA
韓国の国会は1月9日、食用を目的とした犬の飼育や肉を処理すること、料理として提供することを禁止する法案を賛成多数で可決しました。2023年1月2日に公開した記事をもう一度、紹介します。

韓国に犬肉を食べる文化があることは、日本でもよく知られている。しかし最近は犬肉を食べる人は減っており、あるアンケートでは約7割が「犬肉食を法律で禁じるべきだ」、約9割が「この1年犬肉を食べていない」「今後も食べるつもりはない」と回答した。なぜ韓国人は、犬肉食を嫌うようになってきたのだろうか?(ビジネスライター 羽田真代)

アンケートで7割が「肉食を法律で禁じるべき」と回答

 中央日報やコリアウェーブから、犬肉に関するニュースが出た。韓国の社団法人「動物福祉研究所アウェア」が、成人男女2000人を対象に犬肉に関するアンケートをとった結果を報じたものである。

 調査によると「商用としての犬の飼育・食肉解体・販売を法律で禁じるべきか」という問いに対して、42%が「非常にそう思う」、30.8%が「そう思う」と回答したそうだ。

 加えて「この1年間、犬肉を食べたか」という質問には94.2%が「ない」と答えた。食べなかった理由は「犬に親しみがあるから(36.7%)」「犬肉が好きではないから(27.4%)」「飼育・と畜過程が残酷だから(14.9%)」「生産・流通過程が非衛生的だと思うから(10.4%)」「社会の否定的な視線のため(5.9%)」だった。

 2000人中、この1年間で犬肉料理を食べたことのある人は116人。犬肉を口にした理由は「健康に良さそうだから(29.3%)」「犬肉が好きだから(21.6%)」「会食・集まりなど関係維持のため(15.5%)」「これまで食べてきたから(14.7%)」「家族・友人・同僚などの勧めで(14.7%)」「好奇心のため(4.3%)」であった。

 そして、アンケート対象者全員に「今後、犬肉を食べる考えはあるか」と質問したところ、88.6%が「ない」と答えた。韓国人の大多数が、自国の食文化である犬肉料理を否定的に見ていることが分かった。