米国のインフレ率が1年前より低下していることは重要だ。また、人々のインフレ期待が低下していることも重要である。米労働省が11日発表した昨年12月の消費者物価指数(CPI)は、季節調整済みで前月比0.3%上昇した。前年同月比では3.4%の上昇だった。これは11月の伸び(3.1%)よりも高い。だが、インフレの基調を捉えるために変動の大きい食料品とエネルギー品目を除いたコアCPIは前年同月比3.9%上昇し、2021年5月以来の4%割れとなった。インフレ率の減速傾向は今後も続きそうだ。その理由の一つは米労働省の「住居費」にある。同省は住宅所有者と賃貸住宅居住者の住居費をいずれも家賃から算出しているが、新規の賃貸契約の家賃動向が反映されるまでに時間がかかるのだ。