セブンイレブンが2023年秋から、一部店舗で「コンビニ紅茶(入れたて紅茶)」の試験提供を始めた。今後は「3年で1000店」に拡大する計画だと報じられている。だが、コーヒーと比べると、日本人は紅茶を飲む習慣があまりない。そのため「本当にヒットするのか」と懐疑的な消費者もいるだろう。だが筆者は、コーヒーの次に“来る”のは紅茶だと断言する。その理由とは――。(流通ジャーナリスト 森山真二)
「セブンカフェ」に続いて
「セブンティー」が登場
セブン-イレブン・ジャパンが“新しい弾”を繰り出した。店頭で「入れたて紅茶」を売り始めたのだ。まだ数店舗で実験販売を始めた段階だが、軌道に乗れば拡大する計画だとみられている。
果たしてセブンは、入れたてコーヒー「セブンカフェ」に続いて紅茶でも大成功できるのか。また、その狙いはどこにあるのか。今後の展望を読み解いていきたい。
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入れたて紅茶こと「セブンティー」は、東京都内をはじめとする数店舗で販売されている(2023年11月時点)。セブンカフェのように店頭でカップを買い、専用のマシンで入れる方式で、実験店には紅茶専用マシンが設置されている。
この専用マシンではダージリン、アッサム、アールグレイを抽出できる。ホットとアイス、ストレートティーとミルクティーの両方に対応。価格は紅茶の種類・サイズによって異なるが、ストレートティーのレギュラーサイズは「1杯税込み110円」となっている。
入れたて紅茶のメリットを挙げるならば、味にばらつきが生じにくいことだろう。入れたてコーヒーは、豆の鮮度やマシンの状態によって味が微妙に変わってくる。紅茶の場合は「豆をひく」という工程が生じない分、茶葉の鮮度管理さえしっかりすれば、味のばらつきを防げるはずだ。
「コンビニで気軽に入れたてが飲める」「味にばらつきがなく、同じ風味をコンスタントに楽しめる」というメリットを、消費者が魅力的に感じる可能性は大いにある。セブンの店舗側にとっても、お菓子など紅茶の「お供」になる商品の売り上げも見込める。粗利も高い。「やるべき理由」は豊富にあるだろう。
だが、次に示す通りデメリットもつきまとう。