物流不動産デベロッパーが「物流事業」に参入するケースが出てきた。オペレーション領域に踏み込むことでテナント企業のニーズを的確に把握し、施設戦略に活かす狙いもある。一方で、EC化の加速といった流通構造の変化により新たな物流市場やビジネス機会の創出が期待され、物流の社会課題解決へのニーズも高まっており、施設を供給する“黒子”であったデベロッパーがプレイヤーとしても存在感を高めていく可能性がある。(カーゴニュース編集部)
2030年のフロン規制を見据え
「冷凍保管サービス事業」に参入
賃貸用冷凍冷蔵倉庫の開発を推進する霞ヶ関キャピタルは11月、冷凍保管サービス事業に参入することを発表した。DXソリューションを提供するSREホールディングスと合弁会社「X NETWORK」を設立。霞ヶ関キャピタルは95%を出資し、2024年夏~秋から営業を開始する予定だ。
霞ヶ関キャピタルでは、冷凍食品の需要増加、30年のフロン規制を見据え、賃貸用冷凍冷蔵倉庫の市場をいち早く開拓。マイナス25℃にも達する過酷な労働環境における人手不足に対応するため、埼玉県所沢エリア、青森県八戸市、大阪府南港エリア、神奈川県川崎市などで冷凍自動倉庫の開発も進めている。
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開発を通じて同社が注目したのが、季節商材など短期の冷凍冷蔵倉庫利用ニーズの多さだ。合弁会社では、小口冷凍貨物に特化したシステムを開発し、繁忙期や倉庫移転の間の一時的な保管場所として、パレット単位で利用できる保管スペースのオンデマンドプラットフォームの提供を目指すという。