運動したい、でもできない……。そこで本連載は論文マニアとしても有名な大谷義夫先生(医師)が、82の論文、世界の最新エビデンスをもとに正しく効果的な歩き方を書いた本『1日1万歩を続けなさい』から、今日から役立つ「歩き方のコツ」をお伝えします。ウォーキングは体にいい。それはたしかに事実です。でも実は「ただ歩くだけ」では効果が出にくいことをご存じでしょうか。同じ歩くなら「科学的な歩き方」で「最大効果」を手に入れる。ここを目指してみてください。
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「眠れない」という声は非常に多い
診察時、患者さんに体調を聞くと老若男女「よく眠れない」という声をよく聞きます。
ただこういう方は、じつは日中、かなり眠っていることが少なくありません。
「うっかり寝」に要注意
「テレビを見ながらつい、うとうと1時間……」
これも習慣になると、体のリズムが崩れます。
「昼寝」のしかたも注意が必要
シニアがよく眠れないのは、加齢とともにメラトニンの分泌量が減るためで、これはごく自然なことですが、たとえば日中、1時間も昼寝をすると、自律神経が夜の「リラックスモード」に切り替わり(副交感神経が優位になり)、どんな人でも夜、眠りにくくなってしまいます。
お昼寝は15分~30分以内を目安に
お昼寝は短ければ平均血圧を下げ、疲れも取れてリフレッシュできるのでおすすめですが、これは「脳の休憩」程度の、15分~30分以内にするようにして、できるだけ外を歩くのがおすすめです。
眠れない人は日中「外」を歩く
朝もしくは昼(太陽のあるうち)にウォーキングをすると、体の中に「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンがたっぷりと作られます。
このセロトニンは15時間後「睡眠ホルモンメラトニン」に加工されます。そうすると人はよく眠れます。
ですからよく眠れないという人は、朝もしくは昼、太陽のあるうちにウォーキングをすれば、幸せホルモンセロトニンが増えるとともにぐっすり眠れるというダブルの効果が期待できます(※1)。
※本稿は大谷義夫著『1日1万歩を続けなさい』より、一部を抜粋・編集したものです。本書にはウォーキングの効果にまつわるさまざまなエビデンスと、具体的で効果的な歩き方が紹介されています。ウォーキングで効果を出すには歩き方に「コツ」があります。このコツを本書でぜひ掴んでください。
※1 和田快, 他.高知県内の運動部所属大学生への朝食・光曝露介入が介入中の睡眠・精神衛生に及ぼす影響.日生理人類会誌2010;15: 97-103.