米ノースダコタ州の小さな町レイの警察署長で唯一の警官であるジェームズ・ソーヤーは、ハイウエーが通る住民700人の農業の町でたまに時速25マイル(40キロ)の制限速度を超えたドライバーを捕まえるだけの日々を送っていた。まれなカーチェイスや散発的に起きる押し入り強盗で地域の保安官代理を助ける以外に特にやることがなかった。町の関係者はそう振り返る。数年前のある日、ソーヤー署長は奇妙な依頼を受けた。裁判資料によると、ラリー・ビッカーズという男(警官に人気の高い銃器取り扱いトレーニング講座を開いていた)が、機関銃(マシンガン)1丁を輸入するのを手伝ってほしいと求めてきた。アルコール・たばこ・火器および爆発物取締局(ATF)に提出する書状を作成するだけでよいという。その文面は、署員が1人しかいない田舎町の警察署が、非常に厳しい制限を受けるこの武器の購入に関心があると伝えるものだった。
銃インフルエンサー転落の軌跡、警官だまし密輸
米検察はマシンガンなどの銃輸入を共謀した罪で関係者を起訴
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