大手銀行に資本増強を迫る米連邦準備制度理事会(FRB)の計画に対して不満が渦巻いている。規制強化反対の急先鋒(せんぽう)に立つのは、当然のことながら大手銀だ。ところが、議会上下両院の民主党議員らの他にも、住宅取得の機会均等を訴える団体など、思わぬ方面からの援軍も加わっている。米国では昨年、中堅銀行の破綻が相次いだことを受け、規制当局は銀行システムの耐性強化を目標に掲げてきた。規制への反発が多方面に広がる異例の展開は、当局のこうした取り組みを複雑にする可能性があると、アナリストや銀行関係者は語る。当局はまた、急速な預金流出への対策など、他の優先事項への取り組みを銀行に促している。昨年7月に発表された資本規制強化案に対し、上下両院の民主党議員数十人が最近、抗議の文書に署名した。黒人議員連盟のメンバーや、住宅取得機会や市民権の擁護を訴える団体は新たな資本要件について、低所得者やマイノリティー(少数派)の借り手に住宅ローンを提供するコストが銀行にとって高くなり、意図せざる結果として、住宅所有を巡る人種間の格差が拡大する恐れがあると指摘した。
FRBの銀行資本規制案、反対派が異例の連携
上下両院の民主党議員や市民権擁護団体が懸念を表明
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