中国の不動産危機が経済全体の足を引っ張っている。大規模な人員削減が相次ぎ、業界大手は破綻の淵に立つ。状況はさらに悪化するとエコノミストらは考えている。2023年は新築住宅販売が6%減少し、16年以来の水準に落ち込んだことが中国国家統計局のデータで示された。不動産仲介の中原地産によると、中古住宅価格は12月に北京、上海、広州、深圳の四大都市で前年同月比11~14%下落した。不動産開発会社が着手するプロジェクトは減少している。住宅購入者は住宅ローンを繰り上げ返済し、借り入れを減らす。不動産会社にかつての勢いはない。S&Pグローバル・レーティングのデータによると、2020年から23年後半にかけて約1250億ドル(約18兆5000億円)のオフショア債のデフォルト(債務不履行)が発生した。この後、不動産会社は海外投資家との交渉が長引くようになった。