米共和党の大統領候補指名争いで、ニューハンプシャー州の予備選は圧倒的勝者を出したものの、その結末は奇妙なものだった。選挙結果を受けても、ドナルド・トランプ氏はあまりうれしそうには見えなかったためだ。次点のニッキー・ヘイリー氏は予備選当日の夜に行った演説で、元気いっぱいで挑戦的だった。同氏は、1年前は泡沫(ほうまつ)候補に過ぎなかった自分が23日の予備選で推定43%の票を獲得するところまできたことを指摘した。勝利の見込みはかなり低いにもかかわらず、ヘイリー氏は選挙戦を続けると約束した。推定得票率54%で勝利したトランプ氏はいら立っており、醜悪だった。同氏はヘイリー氏を「とてもひどい夜」を過ごした「ペテン師」だとこき下ろし、ニューハンプシャー州のクリス・スヌヌ知事が彼女を支持しているのには「何か魂胆がある」とも言った。トランプ氏は「私はそれほど怒ってはいない。借りは返す」と怒鳴るように締めくくった。19分間にわたった暴言のせいで、自信に満ちた幸せな戦士ではなく、怒った老人のように見えた。