霧雨が森を覆い、濃霧が丘に立ち込めた。イスラエル軍の155ミリ砲弾が頭上近くをヒューッと飛び、レバノンの親イラン民兵組織ヒズボラが近くから発射した迫撃砲弾の着弾音と呼応した。レバノン国境から約270メートル離れたキブツ(農業共同体)・ハニタで雨宿りしていたイスラエル陸軍のドタン・ラジリ中佐は「いつもより静かだ」と言う。「これは怪しい」イスラエルとレバノンを隔てる丘陵地帯の至る所で「宣戦布告なき戦争」が激しさを増している。イスラエル軍はパレスチナのガザ地区での戦争とほぼ同数の部隊を展開している。今のところは、ミサイル・大砲・空爆・潜入など、ほぼ静的な戦いにとどまる。
イスラエル・レバノン国境に響く「戦争」の足音
イスラエルとヒズボラの戦闘が徐々に全面衝突に近づき、両国の住民が避難
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