ロシアの裁判所は、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)のエバン・ゲルシコビッチ記者の裁判前勾留を2カ月延長する判断を下した。同記者はスパイ容疑で勾留されているが、米国は不当な拘束だとしている。モスクワにあるレフォルトボ地方裁判所で26日に開かれた非公開の審問で、裁判官は、連邦保安局(FSB)から出されていた3月末までの勾留延長要請を認めた。ゲルシコビッチ記者が昨年3月にスパイ容疑で拘束されて以来、4度目の勾留延長となった。本人とWSJ、米政府は容疑を強く否定している。WSJと同紙発行元のダウ・ジョーンズは裁判所の決定を非難し、「エバンが単に自分の仕事をしたというだけで、これまで人生の10カ月を刑務所で過ごしたというのは恐ろしいことで、理不尽だ」と述べた。さらに「これは明らかに偽りである容疑に関する見せかけの手続きであり、われわれはこれまでと同様、この日の決定についても異議を申し立てる。ジャーナリズムは犯罪ではなく、われわれはエバンの即時釈放を要求し続ける」とした。