仕事ができるかどうかは、会食・食事会の「仕切り力」でわかる――。
面倒な雑務の代名詞「幹事」「食事会設定」は、社会人として逃れられない悩みの一つだ。「たかが会食」と捉えて適当にこなすと、クライアント・上司からの評価が大きく下がりかねない。
しかしこの一見、何の役にも立たなさそうな“貧乏くじ”に、実は「千載一遇のチャンス」が隠されていることを、見逃してはいないだろうか?
新刊『ビジネス会食 完全攻略マニュアル』では、“広告代理店卒・アルコールに弱い(1,2杯が限界)・非体育会系の著者”が、最大28会食/月を乗り越えて身につけた「実務に即したメソッド」を紹介している。
会食・社内飲み会・送別会・歓迎会など、古今東西すべての食事会で今日から使える本書。
今回は特別に、その中から「失敗しないための店の予約方法」について紹介しよう――。

仕事ができる人は必ず「電話」でお店を予約する…その意外な理由とは?Photo: Adobe Stock

店はWEBではなく電話で予約すべき理由

お店を正式に予約する際には、現代はWEBでの予約も可能である。が、私の一番のお勧めは電話予約だ。

このご時世における電話予約には確かなメリットがある。それは、電話の場合、予約時に食事会・会食における周辺情報を店に伝えることができることだ。

まず、最低限伝えるべき必須情報は以下の通りである。

①予約希望日時
②終了目安時刻
③予約人数
④フルネーム
⑤自分の携帯電話番号

これらは当然WEB予約でも対応が可能だが、飲食店・会食店の予約においてカギとなるのは、次の「追加情報」の提供だ。

「追加情報の提供」がトラブルを未然に防ぐ

たとえば前置きとして、電話の際に次のように伝えよう。
「実は今回、会食(・送別会・歓迎会…)での利用を予定しております。お忙しい中恐れ入りますがご相談差し上げたいことがあり、あと5分ほどお時間を頂戴することはできますでしょうか」
その上で、「追加情報」を店に伝えるのだ。これが食事会・会食成功のための重要なポイントとなる

いくつかある追加情報のうち、ここでは抑えておきたい3つを紹介しよう。

①利用用途
たとえば、「会食利用である」ことを伝えておくと、席配置において配慮してもらえる場合がある。
店の事情を考慮せずにこちらから強引に座席のスタイルを指定するわけにはいかないが、個室や半個室を優先的に確保してもらえることもある。
店と席の相談をする場合は、具体的にどの席を希望しているのかを伝えるようにしよう。なお、「一番いい席で」のような不明瞭な表現は避けたい。
②人数の内訳(男女別・ホスト/ゲストの人数など)
ホストとゲストは同人数であることが理想であるが、場合によっては人数がアンバランスになることもあるだろう。
その場合は席の配置をどのようにするのが好ましいか、店と事前に相談しておくと当日困らない。男女の内訳も伝えておくとベターである。
③料理やワインの予算イメージ
予算の制約がある食事会・会食において、想定予算を伝えておけてこそ失敗のない幹事と言えるだろう。
なお、高級店において一番のノックアウトファクターとなり得るのがワインである。高級店であればあるほどワインの価格が青天井となっていく。前もって予算のイメージなどを伝えておいたほうが、ソムリエも配慮した提案をしてくれるようになる。
実際の会食シーンでは、もてなすホストがソムリエと会話をしながらワインを選んでいく場合が多い。伝えておくに越したことはないだろう。

トラブルは“起きる前”に防ぐ

これらの情報を伝えなくても、会自体は成立する。
しかし、予約フォームの形式に沿った情報だけでは、あくまで最低限のことしかお店に伝えることができない。

こういった「追加情報」をお店に伝えておけば、お店とのコミュニケーション不足による様々なトラブルを未然に防ぐことができる

トラブルの火種を事前に消せていなければ、上司やクライアントの目の前で、あなたのあたふたとした姿を見られてしまうおそれすらある。

Web予約よりも電話予約のほうが、失敗確率が下がる」ということが、イメージいただけたかと思う。

(本記事は、『ビジネス会食 完全攻略マニュアル』の一部を抜粋・編集・加筆したものです)