近年、「頭の回転の速さの象徴」としてお笑い芸人が多くの場面で活躍をしている。そんなあらゆるジャンルで活躍をし続けるお笑い芸人たちをこれまで30年間指導し、NHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』でも話題になった伝説のお笑い講師・本多正識氏による『1秒で答えをつくる力 お笑い芸人が学ぶ「切り返し」のプロになる48の技術』が発刊された。ナインティナインや中川家、キングコング、かまいたちなど今をときめく芸人たちをこれまで1万人以上指導してきた本多氏の仕事に対する考え方をオリジナル記事としてお届けする。
「仕事が圧倒的に速くて丁寧な人」が必ず守っている習慣
皆さんのまわりに、仕事が速いだけでなく、丁寧な人はいますでしょうか。こういった人はどんな職場でも重宝されます。
「仕事が速い」「仕事が丁寧」、それぞれの能力を持っている人は多いですが、その両方を兼ね備えた人はそこまで多くありません。
そんな、「仕事が速くて丁寧な人」が守っている習慣があります。それは「短い時間で仕事を繰り返すこと」です。どういうことか見ていきましょう。
まず、前提となる「速さ」についてです。
仕事が遅い人は「先延ばしグセ」があります。「まとまった時間ができたときにやろう」「少し休憩してから」と考えてしまい、結局何も手につかなかったことが皆さんにもあるのではないでしょうか。これは悪いことではありません。人間とはそういうものです。
ただ、先延ばしグセは仕事の遅延だけでなく、思考の遅延も引き起こしてしまいますから注意が必要です。なぜなら、作業を寝かせているうちに仕事の鮮度が落ちてしまい、あとになって「で、なにからやればいいんだっけ...」とそもそも頭がついてこなくなってしまうからです。鉄は熱いうちに打てとよく言いますが、まさにその通りで、仕事では最初のスピードが命なのです。
とはいえ、やる気が出ないのもわかりますから、そういったときは5分でいいですから、その仕事に向き合うようにしましょう。「資料をざっと読む」「1行だけでも何か書いてみる」などなんでもいいですから、その仕事に少しだけ向き合ってください。
仕事が遅い人は、この仕事に対するハードルが高すぎます。「まとまった時間ができたら片付けよう」と考えがちですが、そのまとまった時間はいつくるのでしょうか。普通に働いていると忙しいですから、そんな暇はないはずです。
ですから、5分だけという小さなハードルに切り替えて仕事に向かうことで、自然と仕事に対する初速がついてスムーズに仕事が回るようになります。これが仕事が速い人のカラクリです。