丁寧に仕事がしたければ、いきなり100点を目指すな

 この、仕事の速さに加えて、丁寧さを手に入れるために必要なのが、「仕事の合格点設定」です。多くの人は仕事をする際に、いきなり100点を目指そうとします。

 私のいるお笑いの世界でも、駆け出しの若手芸人は完璧なネタができるまで舞台に上がろうとしません。誇りを持つことは正しいですが、いきなり100点など出せるわけないのですから、非常にもったいないと感じています。

 そうではなく、最初は20点、次は40点、60...80...90...と最終的な目標に向けて少しずつクオリティを上げていくことが大事です。

 たとえば、皆さんが1週間で資料作成の仕事を受けたとしましょう。先ほどお伝えしたように、まずは5分間取り掛かってみました。ここで大事なのは、まずは「0点→1点」にすることです。小さく階段を登っていきましょう。

 翌日は基礎情報を集めて20点、その次は情報整理して40点と、各作業時間で丁寧に階段を登っていけばいいのです。間違っても、「3時間確保して1回で全部終わらせよう」などと考えてはいけません。

 できるならいいですが、大半の場合、普通のビジネスパーソンは3時間もまとまった時間を取るのは困難なので、「時間調整に時間を要する」という無駄な作業が発生することに加え、1回で完璧な仕事に仕上げるのはかなりの体力も必要になります。

 ですから、仕事は「短い時間で、小さなハードルを超えていく」のが鉄則です。これを実践するだけで、仕事のクオリティは自然と上がっていきます。

「速さ」も「丁寧さ」も意識ひとつで変えていけることですので、ぜひ頭の片隅に入れておいていただけると幸いです。