週刊誌という入れ物を叩く人たち

松本人志さんの“罪”を考察したブログに反響広がる「ぐうの音も出ない」「完璧すぎる論破」Photo:JIJI

 というわけで、私も『週刊文春』の記事を読んでみました。

 週刊誌が完売して儲けてるだけだ、なんてつまらない皮肉をいってる芸人もいましたけど、主張の中身にきちんと反論してください。週刊誌という入れ物にケチつけてすべてウソだとなじるのは、芸人は全員バカだからヤツらのいうことは全部ウソ、と決めつけるのと同じです。ちなみに私は図書館で読みましたので、売り上げには貢献してません。

 過去に文春にスクープされたことを恨んでいて、ここぞとばかりに文春叩きをしてる人たちもいます。ホントに誤報で被害を受けた人ならともかく、自分の悪行を暴露された人までが便乗して叩いてるのは笑うしかありません。

 過去の文春の誤報記事を並べて、いかにも週刊誌は信用できないという空気を作りたがってる芸能ライターもいますが、これはインチキに近いやりかたです。

 週刊誌に誤報があるのは事実なので、鵜呑みにするのは禁物です。とはいえ、数件の誤報だけを抽出して週刊誌全体が信用できないと断じるのは、間違った論証です。ある一定期間のすべての記事のうちで誤報がどの程度あったのか、それを数字であきらかにしなければ意味を成しません。ジャニーさんを告発した記事は事実だったわけですし。

 私は著書の執筆のために、明治時代から現在までのさまざまな新聞雑誌記事を大量に読んできました。ある事件を各雑誌がどう報じているかを比べる作業を何度もやってれば、どの雑誌に取材力があるか、信用できるかはなんとなくわかってきます。

『週刊文春』に関していえば、誤報もあるけど、雑誌そのものの存在意義が疑われるほどの量ではないと思います。なので鵜呑みにはせず、記事ごとに信憑性を判定すればそれでいい。

 繰り返しになりますが、大事なことなのでいっておきます。犯罪の告発に関しては、これまでウソだったから今度もウソだという予断をもってはいけません。