保護主義に傾く米国、いら立つ欧州Photo:Win McNamee/gettyimages

 ジョー・バイデン米大統領が2021年に行った「米国が戻ってきた」という宣言は、トランプ政権との貿易問題を乗り越えて先に進みたいと考えていた欧州連合(EU)当局に歓迎された。

 ところがバイデン氏は、ドナルド・トランプ前米大統領の保護主義的な考えに基づく政策を撤回するどころか、その多くを推進してきた。貿易障壁を維持したほか、米国の製造業強化に向けた補助金の対象から欧州企業を外した。さらに、中国による米国の技術利用をさらに制限して欧州諸国を驚かせた。