写真:結婚式写真はイメージです Photo:PIXTA

不特定多数が関係する結婚式では、なにかとトラブルや困り事が起きやすいもの。結婚式を挙げた夫婦や参列した人に、結婚式のトラブルや珍エピソードを聞いた。(清談社 沼澤典史)

スピーチでは息子自慢に終始し
時代錯誤な言葉で締めた新郎の父

 一世一代のイベントである結婚式。参加する友人たちにとっても、久しぶりの再会で会話に花が咲き、さながら同窓会のような雰囲気になることも醍醐味だ。しかし、東壮平さん(仮名・30歳)が参加した結婚式は、友人たちと昔を懐かしむことがかなわなかった。

「高校の同級生の結婚式が北海道でありました。私たちの地元は新潟なのですが、新郎が北海道で就職したため、そこで開催したそうです」

 東さんは東京で就職していたため、北海道はかなり遠い。距離に加えて、当時はコロナ禍でもあったため、感染予防の観点からも参加するか否かを迷ったという。しかし、友人として新郎の顔を立てるため、北海道に飛んだ。

「会場に着いてびっくりしました。新郎の地元の友人は私しか参加していなかったんです(笑)。さすがに高校のヤツらは誰かしら来るだろうと思ってたんですけど、みな参加を辞退したらしいのです。誰も知り合いがいない私は、新郎の家族のテーブルに案内され、非常に気まずい空気にひたすら耐えていました。ただ、家族のみなさんはお酌やあいさつに忙しかったので、私は黙々と料理を食べていました。北海道なだけあって、とても食材が新鮮だったことは覚えています」