ジョー・バイデン米大統領に圧力をかけ、米国の液化天然ガス(LNG)輸出の新たな承認を停止させた組織的活動を支えた主要な資金提供者は、ロックフェラー一族ら富豪の寄付者によって管理されている複数の慈善団体だった。ロックフェラー一族や、マイケル・ブルームバーグ氏が主導する慈善団体を含む裕福な寄付者たちは近年、メキシコ湾岸で計画されているLNG輸出ターミナルを含む化石燃料プロジェクトに反対する最前線の環境団体に、何百万ドルもの資金を提供してきた。この取り組みに詳しい複数の人物が明らかにした。環境意識の高い資金提供元の中には、最近までLNG輸出にあまり注意を払っていなかったところもあった。エネルギー転換において天然ガスが果たすべき役割について態度を決めかねていたことがその理由の一つだ。さらに、これまでのLNGターミナル反対運動の幾つかが失敗に終わり、その結果、一部の寄付者や大規模な環境団体の、天然ガス産業との対決意欲は低下していた。