米航空機大手ボーイングが危機対応に追われる中で、欧州エアバスがライバルの引き離しにかかっている。業界を長年支配してきた2社の独占体制が崩れる可能性もある。エアバスは2023年の航空機受注が過去最高に達した。受注残の消化にかかる期間は10年以上と、過去最長となっている。15日には、納入機数を引き上げる計画とともに、生産ペースが26年に過去最高に達するとの見通しを示した。昨年の売上高は654億ユーロ(10兆6000億円)で、前年比11%増加した。一方、ボーイングはこの5年間で2度目となる重大な危機に直面している。アラスカ航空が運航するボーイングの小型機「737MAX」の機体側面が飛行中に吹き飛んだ1月の事故の対応に追われており、生産を縮小したほか、業績見通しの発表を控えた。顧客には新たな納入の遅延が起こる可能性があると通知した。
エアバス、ボーイングつまずきでリードを拡大
航空機製造の業界を長年支配してきた2社の独占体制が崩れる可能性
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