ロシアの反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏が死亡したことで、同国の指導者となりうる政治的力量を持つ野党の人材は抹消されたことになる。ロシア政府は、ウラジーミル・プーチン大統領に代わる候補を長年にわたり殺害または追放し続けてきたが、ナワリヌイ氏の件はその総仕上げと言ってもいい。ロシア国内では政府への反発が事実上犯罪として扱われることもあり、ナワリヌイ氏の死亡について週末の間も大きな反応はなかった。国内各地では急きょ設けられた記念碑に献花する住民の姿が見られたものの、夜になると私服警官が速やかに花束を片付けていた。独立系人権団体OVDインフォによれば、ロシアの警察当局は集会や追悼式で約400人近くを拘束している。