「偏在」と「遍在」違い、わかるかな?現役東大生が教えるクセモノな言葉写真はイメージです Photo:PIXTA

「偏在」と「遍在」の違い、「資源」という言葉の定義……。テストを解くのに言葉の意味を理解しておくことは必須だが、実はなかなか曲者(くせもの)な言葉も多い。東大出身の著者が、「絶対に押さえておきたい言葉」を解説する。※本稿は、西岡壱誠『東大生と学ぶ語彙力』(ちくまプリマー新書)の一部を抜粋・編集したものです。

社会で頻出する「資源」は
“なかなかの曲者”な言葉

 社会も言葉を理解することが成績アップにつながります。たとえば、「偏在」という言葉がなんだかわかっていない人が、社会の授業で「これらの資源は偏在しており、ではどこに偏在しているかというと……」なんて言われても理解できるはずがないのです。

 こうならないために、みなさんにはいくつかの言葉をぜひ覚えてもらいたいと思います。さっそくいきましょう。

 社会ではよく、「資源」という言葉が使われます。「天然資源が○○」とか「鉱産資源が△△」とか、教科書にはよく書いてあります。でも、この「資源」という言葉、なかなかの曲者(くせもの)なのです。東大の入試問題でも、「資源」という言葉の定義がわかっていないと解けない問題が出題されました。

 東京大学二次試験 地理(2020年)  ※筆者要約
「高知県と香川県の間では、とある資源がやり取りされており、高知県から香川県に、夏になると不足するとある資源が送られています。この資源とは?」

 さて、なんだと思いますか。正解は、「水」なんです。「水」ってあまり資源のイメージがないかもしれませんが、これが正解なのです。先ほどもお話しした通り、この問題が解けるかどうかは、「資源」という言葉をうまく理解できているかが重要なポイントになってきます。

 資源というのは、「生産活動に使うエネルギー」のことを指します。生産活動、つまりは工業で何かを生み出したり農業で農作物を作ったりするときに使用するもの全般を指します。なので、鉱物や石油などの「鉱石資源」以外にも、たとえば水とか、場合によっては食料も資源に当てはまるわけです。さらに言えば「風」も、風力発電をするための「資源」と言っていいでしょうね。