英語の本写真はイメージです Photo:PIXTA

TOEICの目標スコア達成のために語彙(ごい)学習を頑張ったなら、その努力を無駄にせず、スピーキングとリスニングにも生かそう。「単語」ではなく「チャンク」を意識して手持ちの語彙教材を復習するのがいい。人気の市販教材を使った実践例を紹介する。(パタプライングリッシュ教材開発者 松尾光治)

>>前編『ブラッド・ピットに学ぶ本当の英会話、不完全でも「英語のかたまり」をつなげて話そう』から読む

TOEIC高得点なのに英語が話せないのはなぜ?

 TOEICで高得点なのに英語が話せない日本人があまりにも多い。英語学習の専門家からすると、TOEIC対策で学ぶ語彙や表現を身に付けていれば話せるはずなのだが、ほとんどの人はそうではない。

 最大の原因は、「単語を見て即座に日本語訳を思い出せるようになるまで語彙対策本を何周もする」という定番のアプローチだろう。効率的にスコアアップを目指すにはベストかもしれないが、これでは日本語を思い出す訓練しかしていないので、英語を話す上では役に立たない。

 さらに、もっと根深い原因がある。「英文を作るには正しい文法に従って単語を並べればいい」という思い込みだ。TOEIC満点レベルの単語を、日本語訳を見ればさっと英語で言えるまで大量に暗記していたとしても、この思い込みにとらわれていては話せるようにはならない。

 話せる実感を得られないと、モチベーションも薄れ、やがては覚えていたはずの英単語も記憶から消えていく。これは実にもったいない。せっかく多大なエネルギーをTOEIC学習に費やしたのなら、リスニングやスピーキング能力のアップにもつなげよう。

 次ページでは、TOEIC高得点+英会話力アップにもなる一石二鳥な英語学習を紹介する。市販のTOEIC語彙対策本を使った実践的なアプローチは必見だ。