未婚化などの進展により、単身世帯が珍しくない状況となっている現在。司法書士である岡信太郎氏のもとには「おひとりさま」からの終活の相談が増えているそうです。そこで今回は著書『「ひとり終活」は備えが9割』(青春出版社刊)から“おひとりさま終活”特有の落とし穴について抜粋して紹介します。
高齢者の1人暮らしに潜むリスク
高齢者の周りには、たくさんのリスクが潜んでいます。
なかでも身体的なものとして、“転倒リスク”が挙げられます。転倒はバリアフリーがある介護施設でも起こり得ます。まして、自宅ともなると、より一層その確率が高まります。
どれだけ注意していても、どれだけ対策を取っていても、どこかに死角は潜んでいることを再確認する必要があります。
以前、1人暮らしをしているご高齢の方のご自宅を、その方の娘さんと訪ねた時のことです。年齢は90歳を超えていたのですが、自分の足でスタスタ歩かれ、頭の回転も速く、「とってもお元気なお父さんですね!」と娘さんに伝えました。すると、思わぬ答えが返ってきました。
「実は、半年前に転倒して顔を骨折し、手術をしたのですよ。しばらく顔全体が青くなっていてかわいそうでした」と、家の中で転倒され、手術をされた経緯をお話ししてくれました。