ひとり終活大全#6Photo:PIXTA

そこそこの資産があるおひとりさまを対象に、銀行や専業会社が終活サポート商品を提供している。だが、一部ではトラブルも発生している。特集『ひとり終活大全』(全24回)の#6は、有力会社のサービス内容やコスト、高齢者サポート事業者の選び方七つのポイントをお届けする。(ダイヤモンド編集部)

「週刊ダイヤモンド」2022年7月16日・23日合併号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。

契約者の7割が女性で信託金額は最低300万円
三井住友信託銀が始めた「おひとりさま信託」

 エンディングノートを預かり、葬儀・埋葬、デジタル遺品の消去など死後の事務手続きを丸ごとサポート。契約期間中はSNSで安否確認も行ってくれる。

 三井住友信託銀行が2019年12月から提供を始めた「おひとりさま信託」は、死後事務に特化した金融商品だ。死後事務の費用は金銭信託で預かる。

 契約件数は非公表ということだが、「契約者の7割は女性。男性は退職後に離婚されたような方から契約を頂いています」(三井住友信託銀行)。

 信託金額は最低300万円。依頼内容で金額が変わり、葬儀代だけで300万円ほどかけたいという人は総額500万円くらいになる。比較的若い人向けに生命保険型もある。死亡保険金を死後事務の費用に充てることで、資金を固定せずに、少ない金額で死後の準備を行うことができる。

 おひとりさま信託の優位性は、銀行だから元本保証、かつワンストップ・サービスという点にある。死後事務の履行は関連法人の「一般社団法人安心サポート」が担当する。

 死後事務委任を弁護士や司法書士などの専門家に依頼する場合は、実費を預けることが多いが、使い込みなどの不正が生じる可能性はゼロではない。

 次ページでは、おひとりさま信託の実費と報酬部分の明細や、有力会社のサービス内容やコスト、高齢者サポート事業者の選び方七つのポイントをまとめた。