巷では「DX」「DX」の大合唱が呪文のように続いています。しかし現場からは、「仕事が増えただけで売上はなかなか上がらない」という悲鳴が聞こえてきます。そんな悲劇を解決すべく、1000社以上の問題を解決してきたITコンサルタント・今木智隆氏が書き下ろしたのが『DX沼からの脱出大作戦』(ダイヤモンド社)です。本連載では、さまざまなデジタルの「あるある」失敗事例を挙げながら、なぜそうなってしまうのか、どうしたら問題を解決できるのかをわかりやすく丁寧に解説していきます。ECサイトやSNSの運営に携わっている現場の方、デジタル広告やデジタルマーケティングに関わっている現場の方はぜひご一読ください。
やるべきは「検索連動型広告」一択!
顧客を「入口」まで連れてくる上で、重要な役割を担っているのがオンライン広告です。
オンライン広告には、リスティング広告(検索連動型広告)、ディスプレイ広告、SNS広告、アフィリエイト広告などがあり、それぞれ狙うべき顧客層も異なります。
顧客の獲得効率が最もよいのが「顕在層」、すでに悩みを自覚していて、それを解決したがっている人たちです。この層に対して最も刺さるのが「検索連動型広告」、つまり検索エンジンでの検索結果の上部に表示される広告になります。
各種サイトの広告枠に表示されるディスプレイ広告(これもバナー広告やテキスト広告に分かれます)については、検索連動型広告の最適化を行ってから手を付けるので十分です。ほとんどの会社について言えば、「ディスプレイ広告に手間暇を掛けても無駄!」と言い切ってしまいましょう。
顕在層を狙う手段としては広告の他に、SEO(Search Engine Optimization)もあります。SEOというのは、自社サイトが検索エンジンで上位に表示されるようコンテンツ作りを工夫する手法ですが、効果を上げるためには専門的な知識が求められますから、他の改善施策をやり切ってからでよいでしょう。
広告に関して行うべきは、検索連動型広告一択。いかにして、検索連動型広告から自社サイトのコンテンツやランディングページに誘導して成果を挙げるか、それに注力してください。
検索連動型広告はユーザーがクリックするたびに課金されるようになっており、その値段や掲載順位は広告ランクによって変わってきます。検索エンジンで検索されるキーワードとの関連性などによって広告ランクが算出され、そのキーワードに対して大勢の広告主が入札する仕組みです。
※本稿は『DX沼からの脱出大作戦』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。