地頭のいい人は「構造を理解している」

 ネタのクオリティが低い芸人は、とにかく何も考えず、ネタの流れをなぞるだけです。もちろん、そこからなにか見出すことができればいいですが、大体の場合は、マネをして「なんとなくいい感じ」で終わってしまいます。

 対して、ネタのクオリティが高い芸人は、「どうして笑いが起きるのか」を憧れの芸人のネタを通して確認し、自分のものにしようとするのです。

 たとえば、千鳥ノブくんの「クセが強い」はワード自体の面白さももちろんありますが、表情や間、言い方、まわりからのフリなどが全て整備されているからこそ笑えるのです。ただ言葉だけをマネしている人が、これ見よがしに「クセが強い」と言ってもスベッてしまうのにはこういった背景があります。

 高いクオリティのネタをつくることができる地頭のいい芸人は、この構造を理解しており、「タイミングをマネする」「言葉の長さをマネする」など、ネタそのものではなく、ネタを分解して見えてくる要素から学び取ろうとするのです。

 このように構造を理解することで、言葉を変えるだけで自分のキラーフレーズが生まれたり、ほかのネタと混ぜることで、自分だけのネタが完成したりします。

 つまり、大事なのは表面上のものを見るだけでなく、その下にある構造を見極めることです。

 ぜひ頭の片隅に入れておいていただけると幸いです。