「こんなに利益が出たのに、手元に残るお金はわずか」
経営者なら、誰しも一度はこう思うはずです。だからといって、小手先の節税に躍起になってはいけません。会社のお金を1円でも多く残し、そのお金を会社の投資にまわし、会社をより成長させる。それこそが経営者の仕事です。
本連載は、「1円でも多く会社と社長個人にお金を残す方法」を学ぶものです。著者は、財務コンサルタントの長谷川桂介氏と公認会計士・税理士の黒瀧泰介氏です。インボイス制度、各種法律に完全対応の『今日もガッチリ資産防衛――1円でも多く「会社と社長個人」にお金を残す方法』の著者でもあります。経営者の超リアルなお金の悩みに対し、あますところなく解決策を提示した1冊になっています。

頭のいい社長がやっている「青色申告」活用法Photo: Adobe Stock

知らないと絶対損する! 青色申告のメリット

 本日は、青色申告のメリットについてお話しします。

 通常、10万円以上のものを購入した場合は、固定資産として法定耐用年数に応じて減価償却します。

 たとえ、仕事で使うパソコンを20万円で買ったとしても、全額をその年の経費にすることができないのです。この場合は、4年にわたって減価償却するため、毎年少しずつ費用計上する必要があります。

 しかし青色申告であれば、「少額減価償却資産の特例」を受けることができます。「少額減価償却資産の特例」とは、30万円未満のものを一括で経費処理することができる制度です。

 29万9000円のパソコンを買った場合でも、全額その年に経費計上できるのです。利益がたくさん出てしまいそうな年には、期末にこの制度を利用して、駆け込みで節税することもできます。

「少額減価償却資産の特例」を活用する際の注意点も押さえておきましょう。税込経理をしている場合は、消費税込みで30万円以上になるとアウトです。

 一方、税抜経理をしている場合は、消費税抜きで30万円未満ならセーフです。また、1事業年度では300万円が限度額となります。

(本原稿は『今日もガッチリ資産防衛――1円でも多く「会社と社長個人」にお金を残す方法』から一部抜粋、追加加筆したものです)