中学受験写真はイメージです Photo:PIXTA

中学受験は「親子の受験」といわれます。勉強面だけでなく、生活面をサポートしたり、時には精神的にも支えとなったりしなくてはなりません。しかし、子どもへの対応を一歩間違うと、最終的に良い結果につながらない可能性があります。

中学受験において最悪のケースは、志望校への不合格ではなく、「家庭内の絆が壊れてしまうこと」「親子の間の信頼関係が崩れること」です。どうしてもピリピリしがちな追い込みの時期、どうすれば親子関係を良好に保つことができるのか。実際に受けた相談事例をもとに、より良い受験につながるヒントをお伝えします。(国語専門塾の中学受験PREX代表、教育コンサルタント・学習アドバイザー 渋田隆之)

連載『わが子にとって最強の「中学受験指南術」』をフォローすると、最新記事の更新をメールでお知らせします。

入試の追い込み期に
「なぜできないの!」は禁句

Q1
やり直しをきちんとやったという割には、点数が上がってきません。ごまかして勉強しているのではないでしょうか?

A1

「わかる」と「できる」の間には、タイムラグがあります。

 模試や過去問のやり直しをやって、その問題については復習して「わかる」ようになっても、少し問題の問われ方が違うだけで「できる」ようになっていないことは十分にあり得ることです。

 しっかり復習できていれば、同じような問題を何回かやることで少しずつできるようになります。

 また、中学入試の問題はそんなに簡単にできるようになるような問題ばかりではない、という理解も必要です。

 受験が近づいてきた親の焦りから「なぜできないの!」と言いたくなることもあるでしょうが、本人は一生懸命にやっているものなので「待つ」時間が絶対に必要です。「なぜできないの!」と頭ごなしに言われたら、子どもは「ごめんなさい」と言うしかありません。

 反抗期にさしかかっていたら、やる気をなくすだけです。