一橋大は金融業界の人材の宝庫
深まる東工大とソニーの関係

 それぞれの23年のランキングトップ5を見てみよう。

 一橋大は、楽天グループと大和証券が同順で1位、EYストラテジー・アンド・コンサルティングが3位、明治安田生命保険と東京都が同順で4位だった。相変わらず、楽天グループの人気は高い。
 
 また、大和証券が前回19位から1位に急浮上したように、証券会社の人気が高まっている。メガバンクなど金融系も多いのが特徴的だ。

 最近は金融業界、証券会社に求められる専門性が高まっており、国内外の金融機関で人材獲得競争が激しくなっている。そんな中、一橋大は人材の宝庫となっているようだ。

 EYストラテジー・アンド・コンサルティングが前年の圏外から3位に浮上するなど、コンサル業界も引き続き人気だ。

 東工大は、ソニーセミコンダクタソリューションズが1位、日立製作所が2位、NTTデータとソニーが同順で3位、アクセンチュアが5位だった。前年と同様、電機業界、自動車業界、半導体関連への就職が多く、モノづくりの世界で大事な戦力だ。

 ソニーと東工大は22年4月、デバイス・システム領域における人材の育成を目指す「未来デバイス・システム共同研究講座」を設置するなど、研究分野で関係を深めているようだ。

*この記事は、株式会社大学通信の提供データを基に作成しています。

【ランキング表の見方】
2023年春の大学別の主な就職先。就職先名称は原則としてアンケート調査時点の各大学の回答による。大学通信の調査方法によって表記しているため、正式名称と異なる場合がある。大学により、一部の学部・研究科を含まない場合がある。東京大学は「東京大学新聞」から集計、大学院修了者を含む。(調査/大学通信)