今年2月、世界最大のブランディング専門会社インターブランドは、日本企業のブランド価値評価ランキング「Best Japan Brands 2024」を発表した。全体的に前年に比べて成長率は鈍化したが、それでも成長率が高い企業は存在する。ランキングを基に、企業のブランド価値が成長した理由を分析する。(ダイヤモンド・ライフ編集部)

ランキングトップ100社の
ブランド価値総額は2916億ドル

 インターブランドジャパン(東京都港区)は、ブランドの持つ価値を金額換算する独自のブランド価値評価の手法を用いた、日本発のブランドを対象としたブランド価値ランキング「Best Japan Brands 2024」を発表した。今年で16回目の発表となる。

 今回のランキングは、グローバル企業のブランド価値ランキング「Best Global Brands」と共通の評価方法を採用しており、グローバルのリーディングブランドと日本ブランドの価値を同じ基準で比較している。それにより、世界基準でビジネスの資産としてのブランド価値を考察している。また、ブランドが顧客に提供する価値だけでなく、現在と未来の社会に対する役割や責任に関する活動の評価として、環境・社会・ガバナンス(ESG)データを導入、分析している。

 ランクインした全100ブランドの個別の対前年成長率の平均は+4.8%(昨年は+6.0%の成長)、ブランド価値総額は2916億ドル(前年比+6.7%、昨年は同+7.7%)となり、ブランドの成長は少し鈍化している。この全体傾向は、23年10⽉に発表された「Best Global Brands 2023」と同じだが、中には2ケタ成長を遂げた企業も存在する。

 ブランド価値が急上昇した日本企業はどこだろうか。