「人的資本経営元年」といわれた2022年に立てた計画を進めていく、23年は、そんな年になった。同年3月期決算から、上場企業などが「人的資本の情報開示」を義務付けられた。このことで、従業員の働きがいへの関心が一層高まった。Great Place To Work® Institute Japan(GPTW Japan)が発表したデータを基に、積極的に従業員の働きがい向上に取り組む企業について詳しく解説する。(ダイヤモンド・ライフ編集部 大根田康介)
23年版の評価ポイントは
男女差の「公正さ」
2024年2月、Great Place To Work Institute Japan(以下、GPTW Japan)は、2024年版日本における「働きがいのある会社」ランキングベスト100を発表した。
働きがいのある会社とは、マネジメントと従業員との間に信頼があり、一人ひとりの能力が最大限に生かされている会社のことを指す。総計653社が参加し、一定水準を満たした会社の中から上位100社がランキングされた。100社のランキングは、大規模部門(社員1000人以上)、中規模部門(同100~999人)、小規模部門(同25~99人)という3つのカテゴリーに分かれており、各部門ごとの選出社数の合計が100社となる。
22年版と23年版の2カ年連続で参加した会社のうち、働きやすさが改善したポイントは「公正さ」だった。22年版と比較して23年版は、「性的指向に関係なく正当に扱われているか」「報酬に対する納得感が高い」「能力開発の機会が与えられている」など、男女差が生まれやすい設問のスコアで全体的に改善した。
では、24年版ではどんな取り組みが評価されたのか。