ジェンスン・フアン氏は、長期的な計画はないと好んで言う。また、時計を身に着けない。本人いわく「今が最も重要な時だからだ」。米半導体大手エヌビディアの最高経営責任者(CEO)を務める彼にとって今は大勝利の時であり、少なからず、危機が迫る時でもある。人工知能(AI)ブームに乗った事業が大当たりし、エヌビディアを時価総額2兆ドル(約300兆円)の高みに押し上げたフアン氏は、テック界の王者となった。自社の半導体設計をコンピューターグラフィックスからAIシステムの学習に至るまでうまく適応させたことで、同社の半導体はマイクロソフトや電気自動車(EV)大手テスラなどのテック企業にとって不可欠なものになった。フアン氏はその過程で推定680億ドルを超える富を築いた。
大躍進のエヌビディア、追い落とし狙われる立場に
AIブームで大当たり、その陰では大口顧客さえも自社半導体で対抗
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