禁煙1年後の体重増加の中央値(1.8kg)を基に、体重増加が1.8kg以上だった群(high weight gain:HWG群、428人)と1.8kg未満だった群(low weight gain:LWG群、428人)に分けて分析した(平均年齢:HWG群46.5歳、LWG群45.2歳、男性の割合:それぞれ93%、90%)。
その結果、HWG群とLWG群のベースライン時の体重は同程度だったが、LWG群に比べてHWG群では禁煙1年後および6年後の体重が有意に増加した(ベースライン→禁煙1年後→6年後の平均体重:HWG群 64.9±10.5kg→68.9±10.6kg→69.2±10.9kg、
LWG群 66.3±10.7kg→66.1±10.5kg→66.8±10.9kg)。
また、禁煙から6年後の降圧薬の処方率にはHWG群とLWG群で有意な差はなかったが、ベースラインから6年後のSBP値およびDBP値の変化には有意差が認められた(SBP:HWG群10.3±13.8mmHg、LWG群6.2±12.8mmHg、P<0.001、DBP:HWG群6.0±9.3mmHg、LWG群3.1±9.7mmHg、P<0.001)。
重回帰分析の結果、SBP値の変化は年齢と大幅な体重増加の影響を受けたのに対し、DBP値の変化は大幅な体重増加の影響のみを受けていた。さらに、禁煙群と喫煙継続群の比較では、禁煙群の方が体重の増加幅が有意に大きく、6年間のSBP値とDBP値の変化も大きかった。
禁煙を希望する人には減量指導を
以上から、同氏らは「禁煙後の体重増加は、その後の血圧上昇をもたらす可能性があり、禁煙を希望する人には減量指導を行うことが有効だ」と結論。その上で、「禁煙を勧める際には、禁煙による健康へのベネフィットは、禁煙後の体重増加による悪影響を上回ることを強調すべきだ。また、診療ガイドラインでは、禁煙後の体重管理療法の時期や期間について言及する必要があるだろう」と述べている。(HealthDay News 2024年2月26日)
Abstract/Full Text
https://www.nature.com/articles/s41440-023-01549-8
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