ビール大手各社が「ストロング系」から撤退?
「キリンよ、お前もか」とガッカリした人も多いのではないか。
アサヒビールやサッポロビールが、アルコール度数8%以上の缶酎ハイ、いわゆる「ストロング系酎ハイ」の新商品を発売しないと公言しているが、キリンビールまで販売の是非を今後、検討するというのだ。
これで大手で残すところはサントリーのみ。「-196ストロングゼロ」などアルコール9%をうたった酎ハイを多く取りそろえる同社まで軍門に下るとなると、市場の「低アル化」が一気に進む可能性もある。
「ストロング系」については、急性アルコール中毒やアルコール依存症になる危険性が指摘され、国立精神・神経医療研究センターもかねて注意喚起をしていた。が、各社がこのタイミングでこぞって見切りをつけてきたのは、ごくシンプルに「規制強化」を想定した生き残り戦略によるところが大きいだろう。
2月19日、厚生労働省が「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」を公表した。「飲酒」にフォーカスを当てたこのガイドラインでは、アルコールのリスクとともに、「純アルコール量に着目しながら、自分に合った飲酒量を決めて、健康に配慮した飲酒を心がけること」が繰り返し推奨されている。つまり、「500mlのロング缶でアルコール度数9%」なんて酒は、遅かれ早かれ「規制」の対象になっていくのが目に見えている。だから、戦略転換して、他の分野に注力をしておいた方がいいという判断なのだ。
さて、そこで「左党」の皆さんが気になってしょうがないのは、「他にも何か規制されていくのか」ということではないかだろうか。実はそれもガイドラインを読めば見えてくる。