正解は134

解説 テクニカル分析は、株価チャートをみて過去の値動きから今後の値動きを分析する方法です。

株価は、株を買いたい人と売りたい人の需給バランスによって決まるということを前提にしている考え方です。

ちなみに投資家の世界では、ファンダメンタルズ分析を重視する「ファンダメンタルズ分析派」と、今回紹介したテクニカル分析を重視する「テクニカル分析派」が、対峙(たいじ)しているような一面もあります。

ファンダメンタルズ分析との違い

株価チャートを重視するテクニカル分析派は、ファンダメンタルズ分析派が重視する決算書や事業計画書などには目もくれず、目の前の株価の動きに必要な情報が株価チャートに織り込まれていると考える傾向があります。

短期的に売買をくり返す投資家は、基本的にはテクニカル分析派といえるでしょう。テクニカル分析は目の前の株価、ファンダメンタルズ分析はもう少し先の未来の株価を予測するために使うイメージです。

小型株集中投資は、テクニカル分析派でもファンダメンタルズ分析派でもなく、どちらも参考にしつつ、株式投資の勝率を上げて、資産の桁を増やそうとするものです。

テクニカル分析を
万能視しない

①の「買いサイン」というのは、いろいろとありますが、たとえば短期の移動平均線が中期の移動平均線を下から上に突き抜けるとき。

これは「ゴールデンクロス」と呼ばれますが、こうした買いサインが出たからといって、統計的に値上がりする確率が高いかというと、そうでもありません。

少なくとも私が過去のデータを分析した結果によると、「値上がりするとは限らない。どちらともいえない」という結論です。ただし、こればかりは相場の状態や銘柄によっても異なるので、一概にはいえないところもあります。

【新NISAにも役立つ】株で儲ける人は誤解しない「株価チャート」の正しい見方

目先の受給を
知るためのツール

②テクニカル分析が有効なのは、あくまで目先の需給を知る目的においてのみ。

目先の買いの需要がどれだけ多く、どれだけ「買いサイン」が出たとしても、それは短期的な需要でしかありませんから、半年、1年後の需給なんてわかりません。

③も①と同様に、テクニカル分析で「売りサイン」とされる「デッドクロス」が出たとしても、必ずしも値下がりする確率が高くなるわけではないのです。

同じ舞台でも
異なる手法

④テクニカル分析のみを駆使して売買するのは「トレーダー」と呼ばれる人たちですが、中長期目線の投資家とは、まったく違うアプローチで相場に臨んでいます。

株式相場というフィールドは同じでも、やっているゲームがまったく違うのです。

【新NISAにも役立つ】株で儲ける人は誤解しない「株価チャート」の正しい見方イラスト:カツヤマケイコ

ポイント テクニカル分析も、ファンダメンタルズ分析と同じく、あくまでも1つの判断基準にすぎない

※本稿は『10万円から始める! 小型株集中投資で1億円 【1問1答】株ドリル』(ダイヤモンド社)から一部を抜粋・編集したものです。