企業と個人が、お互いに変化した時に繋がれるために

 アルムナイ側を見ると、ビジネスの繋がりが欲しい人もいれば、再入社したい人もいます。明確な参加目的がある人もいれば、将来に何かあるかもしれないから繋がっていたい人もいます。アルムナイ同士の繋がりしか要らない人もいれば、会社とも、アルムナイ同士とでも繋がりたい人もいます。

 このように「アルムナイ」といっても求めるものは三者三様です。自分にとっては不要な関係でも、他の人にとっては必要な場合があります。だからこそ、自分たちと違う人に対する排他的な姿勢には「悲しい」と感じます。

 私の会社が提供するオフィシャル・アルムナイ・ドットコムは、企業とアルムナイのコミュニケーション、そして、さまざまなアルムナイ同士のコミュニケーションを一つのプラットフォーム上で行えることが特徴です。企業はアルムナイの最新のプロフィール情報をもとに、それぞれのアルムナイの多様なニーズに合わせて、イベント情報やニュース、協業や再雇用の案内などを届けることができます。アルムナイ側の活用方法も人それぞれです。企業とのビジネス協業を模索するアルムナイは、企業側からの協業募集やビジネスイベントにワンクリックで応募することもできれば、新規事業開発を担当する社員との専用ルームでコミュニケーションをとることも可能です。また、再入社を希望するアルムナイは、企業のキャリアカウンセラーなどとカジュアルにキャリアの相談をできる会に応募することも、企業にDMをして相談することも可能です。アルムナイ同士でビジネスの繋がりを求める人は「業務委託案件紹介ルーム」や「○○Tech 最新事例紹介ルーム」などに参加しますし、緩い繋がりを求める人は「近況報告ルーム」のようなものから「育児・教育おしゃべりルーム」のようなものまで、それぞれが興味のあるルームだけに参加すれば良いという仕組みです。

 私たちはアルムナイネットワークがいつかは「全ての人にとって、居る理由がある場所 There is something for everyone」になれば良いと思っています。もちろん、過去の経験から繋がりを持ちたくない人もいるでしょう。そういう人たちが無理に繋がる必要があるとは私たちは思わないし、繋がるかどうかは個人の自由です。逆も然りで、全ての企業が全てのアルムナイと繋がるべきだとも思っていません。ただし、人も企業も変化し続けるものです。お互いが変化した時に繋がれるためにも、「いまは自分にとって必要ないけど、将来的に繋がるかもしれない」と思い、アルムナイネットワークが、排他的でない場所になっていくと素晴らしいなと思います。