アルムナイが発する“肯定的な声”はどういうものか

 例えば、以下のようなアルムナイ側からの否定的な声を聞くと...

・アルムナイ同士の繋がりには価値があるが、辞めた会社と繋がる意味なんてない。
・企業主導のアルムナイは要らない。(企業の)社員がアルムナイに入ってくるな。

「この人(発言者)にとってはそうかもしれないけど、辞めた会社と繋がりたい人もたくさんいるのに、それが否定されてしまうのは悲しい」と思います。また、会社が退職者を排他的に扱っているのと同じで、「退職者が会社を排他的に扱うことは悲しい」とも感じます。

 さらに、企業側から一部のアルムナイを否定する声に.「再入社希望のアルムナイとは繋がりたいけど、それ以外のアルムナイには興味がない」といったものがあります。

 せっかく、再入社以外のかたちでも企業のパートナーやファンやサポーターでいたい人がいるのに、「企業が一部のアルムナイを排他的に扱うのは悲しい」と、私は感じます。

 実際に、否定的な声の一方で、以下のような、アルムナイ自身が発する肯定的な声も多く見られます。

・退職しても繋がれるのは嬉しい
・辞めた会社に恩返しをする機会ができて嬉しい

 多くの否定的な意見は固定観念であったり、自分自身や周囲の人の思考、経験や感情をもとに出来上がっていて、「辞めた会社(人)のことなんて、私と同じでみんなこう考えているに違いない」といった、ある種のバイアスがかかっている場合があります。