独フォルクスワーゲン(VW)は典型的な老舗の自動車メーカーだ。ぜい肉がつき、動きが鈍く、まるで廃業寸前のような評価を受けている。VWが13日発表した2023年12月期通期決算では、そのような評価が暗示する不吉なシナリオがこれから起きる兆候は見られなかった。だが一方で、放漫な支出についても電気自動車(EV)を支える新技術についても、同社が着実に対応しているという説得力ある説明はなされていない。VWの低い評価を示す最も顕著な証拠は、同社の時価総額が、傘下の高級スポーツカーメーカー、ポルシェに対する持ち分(約75%)とほぼ同価値ということだ。VWは2022年に傘下ポルシェの新規株式公開(IPO)を通じて、部分的にスピンアウト(分離・独立)した。同社が多額のネットキャッシュを持ち、アウディやランボルギーニ、ベントレーなど価値あるブランドを傘下に持つことは関係ない。親会社の株主にとってそれらは存在しないも同然だからだ。
フォルクスワーゲン株が過小評価される理由
ライバル社が戦略を研ぎ澄ませる中、VWは相変わらず複雑な再建策を模索
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