「忙しすぎて本を読む時間がない」「1冊読み切るのに時間がかかる」「読んでも読んでも身につかない」――そんな悩みを抱えているビジネスパーソンは少なくありません。本を読めばいいことはわかっているのに、自主的に読めない人もいるでしょう。
何の本をどう読み、どう活かしていくか――働くうえで必携のビジネススキルを良書から抜き出したのが『ひと目でわかる! 見るだけ読書』。本書は、コスパやタイパを重視する現代的な読書スタイルを重視する人にとっても、魅力的な読み解き&活用法です。たった「紙1枚」を見るだけで本の最も大事なポイントが圧倒的なわかりやすさで理解でき、用意したワーク1枚を埋めるだけで即スキル化できる1冊。それも1万冊の読書体験と1万人を教えてきた社会人教育の経験から、絶対に読んでほしい24冊+αを紹介。ただ、エッセンスをまとめただけでなく、読後には、紹介した本が有機的につながっていく仕掛けがあなたのビジネススキルを飛躍的に向上させます。

仕事で疲れ切っている時に読むと「人生が好転する1冊」Photo: Adobe Stock

疲れやすい現代社会で
明日への活力をチャージする

「日々が忙しすぎて疲れ切ってしまっています……」
「成長が大事なのはわかりますが……」
「正直、しんどいと感じてしまいます……」

 そんな読者におすすめしたいのが、『道をひらく』。著者・松下幸之助は、自社(パナソニック)
に日本ではじめて週休2日制を導入した際、その理由として「一日休養、一日教養」という言葉を挙げました。

 これは文字通り「1日はしっかり休む、一方、もう1日は将来に備えてしっかり学ぶ」といった意味合いのメッセージです。

 今となっては週休3日制といった仕組みまで登場するほど、多様な働き方が尊重される時代になってきましたが、あなたは休日のうち「1日は学びに充てる」といった捉え方について、どの程度身近になっているでしょうか。

 周囲に、そのような認識の同僚や友人・知人がたくさんいるでしょうか。

 実は、「一日休養、一日教養」の話自体は、この本には登場しません。『社員心得帖』(PHP研究所)といった松下幸之助の別の著作に登場します。

 では、なぜ「成長」をテーマとしたこの章の冒頭として、『道をひらく』をガイドしたいのか。
 最大の理由をヒトコトで言えば、「成長には、エネルギー=活力・気力・元気が不可欠」という本質を共有したいからです。

 これまで、数えきれないくらい『道をひらく』を読み返してきました。あるいは、オーディオブック版についても何度リピート再生したかわかりません。

 どうしてこんなにも、繰り返し触れてしまうのか。

 再び読み、聴きたくなるときには共通点があって、本を手に取ったりオーディオブックを再生したりするのは、日々の忙しさに「疲れているとき」ばかりでした。

 そんなとき、『道をひらく』を読んだり聴いたりしていると、エネルギーが充填されていく感覚があるのです。また明日から頑張って、成長していこう。もっと高みを目指して腕を磨いていこうと思えてくる。

 これをヒトコトでまとめれば、「英気を養える」本。『道をひらく』が長年愛読されている理由の本質を、私はこの点に見出しています。

 一方で、松下幸之助自身は、生まれつき病弱でした。にもかかわらず、どうしてこれほど人を元気にする話ができるのか。

 実際、松下幸之助の講演音声などを聴いてみると、元々が病弱だったとは思えないくらいエネルギッシュで、上機嫌で、快活な生気にあふれています。

 そこで私は、松下幸之助がどうやって日々活力を得ていたのか=エナジーマネジメントという観点から、大量の著作を読み漁あさっていた時期がありました。

 なぜなら私自身も、決して病弱だったわけではありませんが、少なくとも体力は人並み以下。毎週、週の半ばには息切れしてしまい、金曜まで5日間働き続けるだけでも本当にしんどいと感じてしまうようなエネルギーレベルだったからです。

 こうした問題意識で松下幸之助の本を繰り返し読み解くなかで、また「読んだ後」に書かれていることを試行錯誤するなかで、ようやく自分なりの答えを見出すことができました。

 ぜひ日々の疲れを癒やし、明日への活力をチャージし、この後に続く成長の本質を実践していく英気を養っていってください。成長の本質は、まずはエナジーマネジメントから。

『ひと目でわかる! 見るだけ読書』は、パッと見るだけの圧倒的なわかりやすさで、名著の本質が分かる1枚シートに加え、著者の用意した1枚ワークを埋めるだけで、読み返しがいらなくなるほど、名著のエッセンスが一読で身につきます。ぜひ、活用してください。

(本原稿は書籍『ひと目でわかる! 見るだけ読書』の一部抜粋、再編集したものです)