好きか嫌いかで判断するとチャンスを失う

 対して、賢い人は、感情と事実をわけて考えます。ミスをしたときも落ち込む気持ちを堪えて、なぜミスが起きたのかのみにフォーカスを当てるのです。当然、次に似たような状況が来たときには冷静に対処できるでしょう。

 もちろん、感情的になることを否定するわけではありませんが、感情が強すぎると人はまわりが見えなくなります。注意しましょう。

 このことは私が講師をしているNSC(お笑い養成所)で気がつきました。芸人や人として成長していく生徒と伸び悩む生徒はどこに差があるのだろうかと考えたとき、成長する生徒は、相手のことが嫌いだったり、合わない考え方だとわかっていても、まず真摯に意見を聞こうとするのです。

 そのなかで、「たしかに、自分の声は聞き取りづらかったかもしれない」「テンポが速すぎたかもしれない」と事実に目を向けて成長していきます。

 対して、伸び悩む生徒は、合わない人の話にはまったく耳を傾けず、「あの人は嫌味しか言ってこないから」というような態度を取るのです。その先でどうなるかは言うまでもないでしょう。

 このようにして、感情をコントロールできるかは大きな差となります。意識だけで改善できることですので、ぜひ頭の片隅に入れておいていただけると幸いです。