50代で「枯れる人」「実る人」は何が違う?運命を分ける4つの習慣写真はイメージです Photo:PIXTA

人生100年時代では、50代の決断が人生に大きな影響を与えてしまう。50代まで必死に育て上げてきた人生の“果実”を枯らすことなく、豊かな実りを享受するための秘訣とは――。本稿は松尾一也著『50代から実る人、枯れる人』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を抜粋・編集したものです。

清濁併せ呑む
器の大きな50代になろう

実る人=自分のブラックな部分も愛する
枯れる人=自分を許せない

 今までの人生、ウソをついたり、人を傷つけたり、ズルいことをした経験のある人がほとんどだと思います。

 そんな自分を許せない気分になることはありませんか。

 特に真面目で誠実な人の方が、自分のブラックなところがつらくのしかかっています。なかなか清濁あわせ呑むという具合にはなれません。

 でも考えようによってはその時、その時、精一杯に生きた証でもあるのです。

 無論、ウソをついたり、人を傷つけたり、ズルいことをしないに越したことはありませんが、どうしようもなくなってしまった結果でもあります。

 私は、自分を許せない気分になるとき、奈良の中宮寺にある半跏思惟像を思い出します。その優美な微笑みは、いいことも、悪いことも、悲しいこともすべてを包んでくれているように感じます。

 あの弥勒菩薩の慈顔は地獄の修羅場を乗り越えた人にしか与えられないものだと思います。

 善も悪も人生であり、人間だと思います。自分のブラックなところも愛してあげて、器の大きな50代になりたいものです。

 そのためには自分を許して、そして人も許せることが大切です。いつまでも自分の親を恨んでいたり、上司や同僚が憎かったり、自分のパートナーを激しく嫌っていたりする人がたくさんいます。

 スッキリした後半生を迎えるためにも「許す」ことがカギになります。

好悪の区別が明確になる50代は
楽しいことを優先しよう

実る人=楽しいこと、好きなことを選ぶ
枯れる人=つまらないままでいる

 私の周りで活躍している人、実っている人を見つめてみたとき、浮かび上がる共通のキーワードは「いつも楽しそう!」です。

 それなりに陰で努力は重ねているのでしょうが、憂鬱そうでもなく、不満タラタラでもありません。

 作家であれば、自分のテーマのことをイキイキと語ります。会うと、いつも次の本のアイデアが溢れています。たとえ同じ話をする場合でも、本人が退屈することなく次々と言葉が継がれます。

 事業家であれば、夢やビジョンを口にすることが多いです。ある人物はひとつの会社を大成功させたにもかかわらず、あらたに電子楽譜のビジネスに乗り出して仲間と模索していることを楽しそうに話します。

 弁護士、税理士もそうです。自分のかかえていた案件の様子を守秘義務契約以外のことは上手に再現させて教えてくれます。そしてさすがと思わせる深い専門知識のもと、楽しそうに解説します。