日本銀行Photo:PIXTA

3月の金融政策決定会合での
マイナス金利解除期待が高まる

 2月まで市場では日本銀行が3月の春闘や4月1日の日銀短観調査結果などを見極め、4月25-26日の金融政策決定会合でマイナス金利の解除を決定するとの見方がコンセンサスだった。

 もっとも、メディアの観測報道が相次ぐなか、高い賃上げの可能性を示す春闘関連報道に加え、日本の経済指標と日銀高官による発言などが重なり、日銀は3月18-19日の決定会合でマイナス金利を解除するとの期待が高まった。

 これを受け、日本の10年金利は2月28日の0.70%から3月12日には0.78%へと8ベーシス・ポイント(bp)上昇し、ドル円は150円台後半から146円台半ばへと下落した。

3月に入り相次ぐ解除観測報道
日銀による意図的なリークか?

 市場が3月の決定会合でのマイナス金利解除期待を強めた特段の材料は一連のメディア報道だったと言える。日銀が3月会合での解除に向けて意図的にリークしているとの思惑が高まったとみられる。

 3月の一連の報道を見てみよう。6日には「日銀の3月決定会合で少なくとも一人がマイナス金利解除を主張」との報道があり、8日には「日銀、国債買い入れ規模示す新『量的』金融政策枠組み検討、早ければ3月会合でYCC撤廃」、「買い入れ額は当面、現行の月間6兆円弱の規模を軸に調整」との報道に加え「日銀、3月のマイナス金利解除に傾く政策委員が増加」との報道も流れた。

 さらに12日には「日銀、春闘賃上げ率が23年第1回の前年比+3.8%を大きく上回れば3月会合でマイナス金利解除に踏み切る」との報道や、「日銀、3月会合でマイナス金利解除の是非を議論」との報道もあった。