「こんなに利益が出たのに、手元に残るお金はわずか」
経営者なら、誰しも一度はこう思うはずです。だからといって、小手先の節税に躍起になってはいけません。会社のお金を1円でも多く残し、そのお金を会社の投資にまわし、会社をより成長させる。それこそが経営者の仕事です。
本連載は、「1円でも多く会社と社長個人にお金を残す方法」を学ぶものです。著者は、財務コンサルタントの長谷川桂介氏と公認会計士・税理士の黒瀧泰介氏です。インボイス制度、各種法律に完全対応の『今日もガッチリ資産防衛――1円でも多く「会社と社長個人」にお金を残す方法』の著者でもあります。経営者の超リアルなお金の悩みに対し、あますところなく解決策を提示した1冊になっています。

税務署が狙う「やばい外注費」、3つのポイントPhoto: Adobe Stock

税務署は何を見ているのか?

 節税対策をしていると、怖いのが税務調査ですね。税務調査の調査先は、何らかの指標をもとにあたりをつけ、決算内容に問題がありそうな会社を狙い撃ちしているようです。

 税務署としても、「ランダムに選んで調査に入った結果、不自然な点は何ひとつなかった」というのは避けたいのでしょう。

 そこで本日は「税務調査で指摘されやすいポイント」をお話しします。

外注費に注意!

 外注費は、次の3つのポイントで見られます。

・架空の外注費はないか
・本来は給料にしなければいけない外注費はないか
・源泉所得税が引かれていない外注費はないか

 また、「これは外注費として計上すべきものである。社員に支払っている給料ではない」と主張する場合は、「社員ではない証明」を求められることがあります。

 その人本人が「個人事業主として確定申告をしているか」「雇用保険に入っていないか」「業務委託契約を締結しているか」などを通して、「社員ではない」という主張をしていく必要があります。実務上は「実態」が重要になるため、

・契約が雇用契約ではなく請負契約となっている
・事業を行ううえで指揮管理を受けていない
・役務提供に係る材料や用具を供与していない

 これらの基準を満たす必要があります。

(本原稿は『今日もガッチリ資産防衛――1円でも多く「会社と社長個人」にお金を残す方法』から一部抜粋、追加加筆したものです)