合格実績はその塾の性格を見抜く指標

中学受験で合格実績を「水増し」する塾が後を絶たないワケ…受験指導者「合格者数は操作可能」西村創さん著『中学受験のはじめ方』(KADOKAWA)

 では、各塾の公表する合格実績は意味がないのかというと、そうではありません。合格実績は見方によっては、その塾の性格を見抜く指標になるのです。

 たとえば、塾生の合格した学校の中から、難関校だけを掲載している塾や、偏差値順に合格校を掲載していて、偏差値の高い学校を特に大きく掲載している塾。こういう塾は偏差値が高い学校に塾生が合格していることを売りにしている塾で、そこに惹かれて入塾してくる人が多い塾だということがわかります。

 逆に、あいうえお順に合格校を掲載している塾や、塾生の進学した学校だけを掲載している塾は、偏差値至上主義ではない運営方針、指導方針だということがうかがえます。

 合格実績を見ることで、どんな学校を受験する層が多い塾か、何を重視している塾かが見えるのです。「合格実績」は指導力の指標とするよりも、どんな価値観の塾なのかをうかがう指標にするといいでしょう。